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THE ICONS

THE LEATHER JACKET

レザージャケットとの出会いを機に、それまでのスタイルが一新されたというジャーナリストのポリー・ヴァーノン。タイムレスな定番アイテムへの愛とコレクションのディテールを語ってくれた。

Wedding pictures
Woman in workwear clothing

私がレザージャケットと出会った瞬間をクリアに覚えていると思われるのは、ある意味、当然かもしれない。「初めて着たときは、めまいがするくらいの衝撃だったわ!」とか「天使の声が聞こえたような感覚は、ファッションの神が舞い降りたとでもいえばいいのかしら」とか。

でも、残念ながらまったく記憶がない。

ただひとつ言えることは、レザージャケットが私の世界に存在していなかったのに、ある日を境にレザージャケット無しでは生きていけなくなってしまったっていうこと。

レザージャケットに出会ってしまった!私にとってレザージャケットは無骨ながらシック、丈夫なのにスタイリッシュ。ちょっと危険な香りを漂わせるジェームス・ディーンとフランソワーズ・アルディを足して2で割った感じで、とびきりクール。光沢感があってアーマーのようにタフで、カジュアルでありながらリュクス。それでいて機能的で日常をドラマティックに演出してくれる最高のアイテムなのだ。

これほど着回しの幅が広くて見栄えのいいアイテムはレジャージャケットの他に思いつかない。昼夜問わず春から夏にかけて活躍するし、フェミニンになりがちなサマードレスをいい感じに中和しつつ、セクシーにも見せてくれる。あらゆるシルエットのデニムはもちろん、テーラード仕立てのハイウエストパンツとの相性も抜群なのだ。さらに、ジャージのセットアップにフォーマル感をプラスできたり、丈の短いボトムスの見せすぎ感を和らげながら大胆な印象に仕上げてくれる。レザーのライダースジャケットにチェックのジャケット、時にはゴールドのビキニを合わせるという最高にクールなスタイリングを着こなす私が言うのだから、間違いないはずだ。

Woman in workwear clothing

レザージャケットへの愛が芽生えた瞬間は残念ながら覚えていないけど、どんなジャケットを愛してきたか、その変遷を語ることはできる。まずは1999年頃にお気に入りだった黒いカラーレスのジャケットから。これはグッチのショーでフロントロウに座っていたデヴィッド&ヴィクトリア・ベッカム夫妻にインスパイアされて手に入れたもの。その次は2000年代半ばのケイト・モスとトップショップのコラボで生まれたレザージャケットで、絶妙なフィット感とアシンメトリーなファスナー、レオパード柄の裏地が特徴。2008〜2009年はグリーンのシュリンクレザージャケットにざっくりしたニットをかけて、黒のレギンスにバレエシューズを合わせるスタイリングが大好きだった。そして忘れられないのがスタッズをちりばめた1着!重たいけれどインパクトは抜群。それから、ハンドペイントで女性のヌードを描いたスネークスキン風フェイクレザージャケット、白ベースに黒のラペル、キルティング仕様のパッファー、ボディはブラックのクラシックスタイルで袖だけをデニムのパッチワークで切り替えた斬新なデザイン……、数えきれないほどのジャケットがクローゼットに並んでいる。

クロップド丈でシャーリングが着脱可能なアクネ ストゥディオズは、もう10年以上前、かなり高額だったけれども思い切って購入。今でも活躍している秀逸デザインなので、本当に価値あるものを買ったと思う。同じく10年くらい前に購入したJ ブランドは今も美しいビッグシルエットが健在で、着ていると必ず褒められる。真鍮のジッパーがアクセントになったロング&スリムなアニー ビングは私のコレクションの中で最もパリジェンヌ風のデザイン。お嬢様風なのに辛口でスノッブな女性のイメージだ。最近購入したアイリス & インクの黒のレザージャケットはこれまでのジャケットに勝るとも劣らない、シャープで使い勝手のいいデザインだ。私のレザージャケットコレクションはまさに膨大な数で、クローゼットに専用コーナーを設けているほど。

今後、どんなデザインに出会うのか期待は膨らむ一方だ。