THE ICONS

THE MINI SKIRT

今季、完全なる復活を果たしたミニスカート。丈に関する限り、この数十年で最も短くなっている。10代の頃からミニスカートを愛用しているライター、ブロードキャスターのカミーユ・シャリエールは「膝上も露出するけれど、こんなにも楽しく新鮮な気分にさせてくれるアイテムは他にない」とその魅力を語っている。この夏のマストハブアイテムがなぜ私たちを惹きつけるのか、さらに迫ってみたい。

Wedding pictures
Blue cashmere sweater

私がパリからロンドンに拠点を移した理由のひとつは、パリでは短いスカートが穿きにくかったから。ちょっと大げさに聞こえるかもしれないけれど、着こなしにうるさいパリでは、私が短いスカートを穿いていると常に批判めいたお小言ばかり言われたものだった。フランス人というのは上品な着こなしをすることに誇りを持っているから、彼らのお眼鏡にかなうためには、ある一定のルールに基づいていて、分別があり、どこか自然体である必要があるのだ。スカート丈が短いと遠回しな視線を送ってきたり、時には面と向かって「それはスカートって呼んでもいいものなのかしら?」とか「パンツを無くしてしまったの?」などと言ったりして、とにかく批判される。そんなことがしばらく続いて、正直、もう疲れてしまった。これは着ても良いけど、これはダメなんて、誰にも強制する権利はないと思う。だから私は自由を求めてロンドンに引っ越すことに決めたのだ。

私がミニスカートに恋をしたのは14歳か15歳の頃。それはディーゼルのデニムスカートだったのだが、あの時買わなかったことをその後何年も後悔したほどだ。ミニスカートは大胆で自分の好きなものに正直な女性を体現しているように思えて、私の目には自由の象徴のように映った。1960年代になるとクレージュやマリー クワントがミニスカートを世に送り出し、ファッション的な「女性解放」が本格的に始まる。ミニスカートは女性が楽しく気ままに自分自身の人生や若さを謳歌することを、そしてそれまでの堅苦しくフォーマルな洋服を脱ぎ捨てて新しく面白いことを始めることを意味していたのだ。

今、世界的なパンデミックを背景にミニスカートが復活を果たしたのも、決して偶然ではないと思えてならない。ミニスカートは「素晴らしい人生」を意味しているのだから。2020年の終わり頃からスタートしたミニスカートブームの再燃は、自分が心地良いと思うものを着ることは、何の変哲もない日常において気分を上向きにしてくれる素敵な行為なのだということを証明しているのだ。

私は、昔からミニスカートばかり着ていたように思う。特に10代の頃はいつだってミニスカートだったが、今思えば当時は年齢の割に背が高かったので、どんなスカートも短く思えただけなのかもしれない。いわゆる「ひょろっとした体型」だったが、ミニスカートを穿くと少し女性らしくなるような気がしていた。官能的と言うよりは、遊び心があってちょっとセクシーな感じ、とでも言えばいいだろうか。快適で動きやすいこともミニスカートの魅力だが、それは当時も今も変わらない。そして何より、どれだけ動いてもミディたけのペンシルスカートのように破れたりしないのだ!私のお手本は、ジェーン・バーキンやシャロン・テート、ケイト・モスのスタイルだった。

Blue cashmere sweater

世間的にはスカート丈が長かった時期もあるが、私はほぼマイクロミニ一辺倒だった。私がファッションの世界で働くようになった頃、業界の主流は成熟した大人のためのミニマルなスタイルだった。スカンジナビア風のシルエットやレイヤードルックがトレンドで、私もスーツスタイルを極めようと頑張った時期もある。ただ、ミニスカートを穿かなくなった訳ではなく、夜になるとデニムのマイクロミニスカートにTシャツを合わせて外出していた。それはとてもお手軽なコーディネートだが、ミニスカートのおかげでフェミニンな印象になるのがポイントだ。

フィービー・ファイロがセリーヌのデザインを手掛けていた頃は、ミディ丈のスカートも並行して愛用していた。足元はスニーカーだったが、それでもとても洗練されたルックになっていた。ただし、やっぱりミニスカートの方がもっと楽しさがあり、着回し力も高い気がする。適度なセクシーさや快活な印象が魅力的だが、フラットシューズやスニーカーを合わせるとそれが一層際立つように思う。

私の個人的なお気に入りは、ミュウミュウやプラダ、クレージュのもの。お手軽プライスならリーバイスのデニムスカートは夏を通して着まわせるのでおすすめだ。クロップドのトップスを合わせてミニスカートを目立たせたり、シンプルなトップスを合わせてシックに決めたり、時には白いシャツとミュール、ジャケットを合わせてシャープにまとめたりと、色々なスタイリングで楽しんでみて欲しい。

白いタンクトップを合わせて上からシャツを羽織り、フラットサンダルを履いて90年代風を気取るのも面白いかもしれない。ちょっとしたお出かけの時は、キラキラのトップスにハイヒールを合わせてもいいだろう。冬にはボトムスをタイツ&ブーツでまとめ、トップスにニットを合わせるのも良さそうだ。その時に会う相手や何をするかによって、ドレスアップもカジュアルダウンもでき、色々なスタイリングも楽しめるのがミニスカートの魅力なのである。

私はミニスカートを穿くのが怖いと思ったことは一度もないが、そう感じる人がいることも理解はできる。あまりにも長い間、女性たちは「歳を重ねた女性や太っている女性にミニスカートは似合わない」と言われ続けてきたのだ。その結果、自信の年齢や体型を必要以上に意識するようになり、世間に受け入れられそうな服しか着られなくなったという女性は多いだろう。そんな考え方には、そろそろ別れを告げるべきである。ミニスカートは、誰にだって似合うものなのだ。その証拠に、前述したミュウミュウのセットアップを見てみて欲しい。50代のニコール・キッドマンもプラスサイズモデルのエルセッサーも、それぞれ見事にミニスカートを穿きこなしているではないか!男性主義社会が産み出した古臭いルールになど耳を貸してはいけない。着たい服を着ればいいのだ。アップビートのエネルギーに満ちたショート丈のスカートは、万人のためのものである。さぁ、あなたはどんなスカートを着る?